2025/08/07 09:00
2025年の国産生きくらげ(木耳)の平均卸売価格は1kgあたり約1,000〜1,200円です。スーパー店頭では100gあたり200〜400円(1kgで約2,000〜4,000円)前後で販売されており、ここ数年で大きな価格変動は見られません。 生きくらげは通年栽培が可能で供給が安定しやすく、国内生産の拡大と需要増加がバランスして価格は落ち着いた推移を示しています。 国内のきくらげ市場は近年拡大傾向にあります。国産生産量は2022年に約1,683トンに達し、国内消費量(約2.6万トン)の一割程度まで自給率が向上しました。それでも消費の大半は安価な輸入乾燥品が占めます。 国産品は品質や安全性の高さから支持され、「高くても国産を選びたい」という声も強まっています。その単価は輸入品の2〜5倍程度と高めですが、各地の補助金支援もあり生産者が増加し市場は拡大を続けています。 今後も急激な値動きは起こりにくい見通しですが、エネルギー・人件費や輸送費の高騰は価格を押し上げ、逆に供給過剰になれば価格競争で値下がりを招く可能性があります。また、円安など為替による輸入品価格の変動や行政の支援策も仕入れコストに影響し得るため、引き続き注視が必要です。 *1 農林水産省 林野庁: 「主要な特用林産物の令和4年の生産動向」
*2 日本きのこ学会誌: 奥田康仁「日本におけるアラゲキクラゲ生産の現状と課題」